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息子のバイオリンのレッスンをお願いしている音大生の123さん(=某S嬢)の公開卒業試験を聴きに行った。
じつは息子の先生であるにもかかわらず、ボクは123さんの演奏を聴いたことがなかった。練習曲をお手本として弾くのを聴いたことがある程度だ。つまり、タカタカタッタに毛の生えたレベルしか知らない。息子のレッスンをお願いすることになったとき、ボクは「まずは最初に何か一曲弾いてあげてほしいんだ。そうだな……たとえばバッハの無伴奏パルティータとか」などと半ば冗談交じりに提案したんだけれど、どうやら単なる冗談だと思われたのか、見事にスルーされてしまった気がする。だからボクは、いよいよ彼女のマジ演奏を聴けるとあって、期待に胸を膨らませていた。
11時頃の到着目標で、調布の駅にほど近いホールまでワイフと二人で向かった。息子はというと、今日は幼稚園に行かせることにした。彼は二歳の頃からコンサートに連れて行っているほどなので、何も問題ないことはわかっていた。つい先日もドレスデンの聖十字架合唱団の日本公演で「うるさい大人」よりもよっぽどジェントルマンでいられることを証明してくれたばかりだ。しかし、実質的には「卒業記念コンサート」なのだろうけれど、名目上は「卒業試験」である。もしもの百万が一を考えて連れて行かなかったというのが正直なところだ。演奏中の123さんに手を振る、駆け寄る、「せんせ~い!」と叫ぶような事態は想像したくもない。本当は息子にこそ聴かせてやりたかったのだけれど。
ちょっと早めに会場に到着してしまったボクらは、1階のカフェでラテでも飲みながら待つことにした。
「ああ、きっと今頃は緊張でガクブルなんだろうな……」などと123さんの心中に思い巡らしてみる。ワイフも「こういう日って、ご両親にとってもさぞや感慨深いものがあるでしょうね」なんて、お母さんみたいなことを言う。こちらも釣られて、なんだか父親の心境みたいなものが込み上げてきてしまった。いかん……まるで自分の娘の卒業試験であるかのような錯覚に陥りそうな予感すらしてきた。
カフェを出ると、ちょうど第一部の演奏が終わり、10分間の休憩時間に入ったところだった。123さんの演奏は第二部の最初である。座席に腰を下ろし、そのときを待つ。なぜかボクの緊張もピークに達してきた。手に汗かいたりしてるし。
演奏する曲目はBeethoven Violin Concerto, Op.61の第一楽章 Allegro, Ma Non Troppoだ。ああもうそんな誤魔化しの効かないというか、散々弾き尽くされて聴きまくられてるような曲で真っ向勝負するとは! その潔さに「なんて君はブラバーなんだ!」と感心しているうちに、第二部の始まるブザーが鳴った。
会場の照明が落とされ、正面の舞台がポッと浮かび上がる。そこにシルバーがかったグレーグリーンの大胆なデザインのドレスを着た123さんと、ピアノ伴奏の女性が登場した。拍手で迎えられた彼女はこちらに一礼し、調律をはじめた。調律の間、彼女はピアノの方を向くわけで、必然的に彼女の背中が丸見えになった。肩甲骨がとてもセクシーだ。さまざまな感情が複雑に絡み合って、ますますドキドキする。
123さん、大丈夫なのかね。動きはイカリ肩のロボットそのもの。顔は能面のように無表情。というか、むしろ「真正面からすごい風圧を受けて表面のツラの皮がビターッと骨に貼りついたように引き攣ってる」とでも表現した方が適切かもしれない。
いよいよ演奏だ。この曲は、実際はオケによる前フリみたいのがしばらく続いて、散々オケが盛り上げておいてからバイオリンのソロが劇的に入るという流れなのだけれど、今回は前フリ部分は飛ばして演奏された。伴奏が響き、続いて劇的にバイオリンが入る……はずなのだけれど、硬い、硬いよ123さん! 完全に伴奏のピアノに呑まれてしまっている。もっとリラックスして、もっと自信をもって! と大声で声援を送りたいのを堪えつつ、ただただ手に汗握るボク。
しばらくして、バイオリンのパートは小休止に。ピアノ伴奏を聴きながら、彼女はアゴ当てだか肩当てだかを気にしている様子。いや、アンタそんなのが問題じゃないから! と無言のツッコミを入れつつ、彼女が持ち直してくれることを祈る。もう完全に二人目の父親と化しているボクがそこにいた。
再びバイオリンパートに入ると、徐々に彼女の硬さが和らいでいくのが感じられた。さっきとは別人のように生きいきと、伸びやかに弾いている。何よりも、素晴らしくいい音でバイオリンを響かせている。もう安心して聴ける。というかむしろ最後の方ではノリまくっちゃって、逆に思いきりよすぎるぐらい。でも、ホントよかった。いい演奏が聴けた。まさしくブラバーだよ。
彼女のあとに五人の生徒さんの演奏を聴き、そこで休憩時間となった。ボクもワイフもそのあとに用事があったので、これで失礼することにした。ロビーでお手洗いに行ったワイフを待っていると「kuroさーん」と声をかけられた。123さんだった。
「わざわざ聴きにきてくれたんですね。ありがとうございます」
とても晴れやかで、それでいて少し照れくさそうな表情をしていた。
ボクはとりあえず「お疲れ様。とてもよかったよ」と答えた。でも、次の言葉が見つからない。今、人生の大きな節目となる大舞台を終えた彼女を目の前にして、何か「とびきり気の利いた一言」を言わなきゃ言わなきゃと思うほどに、ますます思い浮かばない。で、苦し紛れについつい「ああ、肩甲骨がとてもよかったよ」なんてバカなことをほざき、ワイフにたしなめられるボクなのだった。
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2005.02.02 10:14 | journal | trackback(0) | comment(3) |

ほんとウチの両親とコメントが
かぶりまくってますね。
出だし2分くらいは生きた心地がしなかった
と母も言ってました。
心配かけてすみませんでした。
立ち上がりの悪さを克服するのが
今後の課題ですねってもうかれこれ10年
くらい言ってるような…
あとドレスはグリーンですよー。
なかなか好評でした。

2005.02.04 10:47 URL | 123 #- [ edit ]

一応「二人目の父親」ということなので、コメントがかぶるのもごく自然なことだと思ってください。
ごめん、すでに二人目はいるとかいうなら、三人目でもべつに構いません。

あのドレス、グリーンだったのですか? てっきりシルバーだと思ったんだけど。ぜひ再度確認してみたいので、次の日曜のレッスンの時は着用した状態でお願いします。

2005.02.04 19:37 URL | kuro #- [ edit ]

2人目は楽器屋のおじさんかな?
付き合ってた人を紹介したりしたし(笑)
ドレスはブログに載せてありますよ。
あれを着て自転車に乗るのは
ちょっと困難なので
着用してのご訪問は控えさせていただきます。

2005.02.05 00:24 URL | 123 #- [ edit ]












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